映画「ブルージャイアント」公開初日に見てきました!

映画「ブルージャイアント」公開初日に見てきました!

待ちに待った2月17日!朝一番の公演で最速で見に行ってきた。一部ネタバレ含みます。

約2時間、没頭できるほど素晴らしい映画だった。幼女戦記やフリクリを手掛けたアニメスタジオ「NUT」の制作だけあって、表現力が大胆で多彩。ライブシーンではダイナミックなアニメーションや演出で演奏の音やシーンを視覚的にさらに激しく捉えられるようになっていた。普通のライブよりも五感に音が気持ちを訴えてくる感じで、劇中でも表現される「内蔵をひっくり返す」感じがすごかった。

青や金色など、色が印象的に使われていて、三次元のライブでは表現できない視覚と最高クラスの楽曲で楽しめる映画なので、本当に音に色がついていた。打ちのめされるほどアニメと音が合っていて、とんでもない作品だった。

映画版ならではのストーリーもたくさんあって、原作を読み込んでいても楽しめる。もちろん読んでいなくても楽しめる映画。最後のライブシーンは圧巻。映画なのにセリフなしの演奏だけで数分あったが、そんなこと忘れるくらいにライブシーンの表現が素晴らしく、アニメの演出、ストーリー、そして楽曲もとてつもなく良かった。普通に泣いた。

新橋サラリーマンの望月さん、初ライブから通っている年配のファン、めばえ音楽教室の先生など、作中で登場するサブキャラたちが随所で登場しているのもファンには嬉しい。

楽器演奏、ライブシーンはCGで作られていることが多く、見始めは慣れなかったが見ていれば慣れてくる。スラムダンクを見たあとだとどうしても比較してしまうが…。ピアノの指使いやドラムのスティックさばきは特に丁寧に作られており、「これ本当にアニメか?」というくらい綺麗にできていた。玉田のドラムソロシーンとか凄すぎて鳥肌たった。シンバルの凹みやダイのセルマーに掘られた彫刻が綺麗に表現されていたのも、アニメ画力の凄さを感じた。楽器類はかなり再現度が高く、ピアノ演奏などは上原ひろみさんが監修しているので違和感のない指使いシーンが多い。ちなみに原作漫画に登場する楽譜や音符は上原ひろみさんが一部監修しているそうだ。

作中の中盤は玉田が主人公のように注目されており、ドラムの上達が音でもわかるようになっていた。ハイハットだけの音でも初心者風の演奏の再現度が高い。雪祈のオリジナル曲「FIRST NOTE」が作中で何度か演奏されるが、都度ドラム音が変わっており、彼の上達が映画内で耳でわかるようになっている。終盤にリムショットの音が聞こえてきて思わず「玉田上手くなったな!」と声に出しそうだった。バスドラムは少し聞き取りにくいが、聞きやすいハイハットやスネアの音に注目して是非聞いてみてほしい。

玉田のドラム音だけでなく、雪祈や大の演奏も少しずつ変化があるように感じた。最初の演奏とラストでは音の表現力やソロの迫力に違いがあり、作中の彼らの気持ちの変化がそのまま音になっていると感じたほどだ。ライブシーンのソロも毎回異なり、思わず「イェア!」と声を上げたくなるほど高ぶるシーンもあったが、静かに見た。声出しOKのブルージャイアント公演あったら行きたい。

新百合ヶ丘で見たが、あまり大きな映画館ではないのでグッズはほとんどなかった。音楽の映画なのにCDがここの映画館には売っていなくて驚いた。映画公開日の2月17日から上原ひろみさんのYouTubeやSpotifyなどで劇中曲やサントラが配信されている。

しかし、個人的には曲を聞かずに、まずは映画を見て、見終わってから劇中歌とサウンドトラックを聞いて欲しい。初めて見るアーティストのライブに行って、衝撃を受けて帰ってきた日のように、作中のJASSのファンたちと同じように偶然彼らの演奏を見て虜になってしまうように、新鮮な気持ちでJASSのライブを見てほしいからだ。ソロのパートとか、アドリブの展開や曲のキメとかがわからずに映画を見ると、映像と音の迫力や、即興性で上がっていくジャズの良さが最大限に味わえると思う。先に劇中歌を聞いてしまうと、曲やアドリブの展開が読めてしまうので、とにかく曲は聞かないで映画を見てください!!とはいえ、曲はまじでかっこいい。

あ!でもジョン・コルトレーンのimpressionsだけは聞いてから見てほしいかも。

映画公開にあわせて雑誌BRUTUSではジャズ特集が掲載。書き下ろしのブルージャイアント番外編も数ページ掲載されている。

ブルーノートとコラボしたCDはジャズ初心者におすすめ。とりあえずこれだけずっと聞いていればジャズの定番は抑えられるし、ブルージャイアントからもっと音が聞こえるようになるはずだ。