家庭用ミシンでビンテージデニムを自分で裾上げしてみた
古着好きから見たら狂気にしか見えないだろうが、ビンテージデニムの裾上げを自分でやってみた。そもそも古着のジーンズ好きならチェーンステッチにこだわるべきだが、今回は面倒だったので自分で家庭用ミシンで裾上げをしてみた。
古着でデニムを購入した場合、チェーンステッチで裾上げを受けてくれるリペアショップを探す必要がある。3000~5000円+送料くらいでやってくれるお店が多い。
自分の経験として、裾上げをやってみたかったし、安くビンテージデニムを仕入れることができたので私物化して裾上げに挑戦してみた。
裾上げに使用したのはJUKIの家庭用ミシン
母が若い頃からずっと使っている、JUKIの家庭用ミシン「ぬいひめ」
普通の家庭用ミシン。
JUKI ミシン "AT5800N"というモデルだが、ネットで調べてもいつ発売かわからなかった。おそらく30年前くらい。
ぬいひめ LOVE 5800Nという家庭用ミシン。
オルガンニードルの家庭用ミシン針、11番と14番を使用した。どちらを使用しても、生地が厚いデニムを縫う時はゆっくりやらないとミシン針が折れる。
1974年製のアメリカ製リーバイス646を自分で裾上げ
70sのビンテージデニム。状態がとても良い。後悔はしていないが、なぜ自分で裾上げに挑戦してみようと思ったのか今でもよくわからない(笑)
色は濃紺のデニムブルー。けっこう残っている。オレンジステッチ。ジップは42TALON。
646らしい、フレアデニムのシルエットが気に入っているが、裾が長すぎてシルエットが崩れる。家庭用ミシンではチェーンステッチはできないが、ビンテージ古着でも着用してこそ価値があると俺は考えているので、思い切って裾上げする。
古着なので現状が裾上げされているのかどうかわからないが、購入時からシングルステッチだった。
裾の折返し幅は約1.6cm。
まずは元々の裾上げされているステッチをバラす。ハサミとカッターを使って思いっ切りやってしまってOK。
バラし終わったら、自分が裾を上げたい丈の長さを測って、合わせてデニムを切る。
元々の裾はシングルステッチでも、裾のうねりが出ていてアタリが出ていた。
思い切って長くカットする。
リーバイス646はフレアデニムなので、この裾の位置を決めるのが一番難しかった。直線を引いても表と裏で合わない。
結局、何回やっても完全に綺麗な線を引くことはできなかったので、切りながら微調整した。結果、サイドのステッチに対して少し斜めにカットした。中に折り返してまち針で止める。
この頃のビンテージリーバイスはストレッチがほとんど入っておらず、生地が分厚い。折り目がきちんとつきにくいのでアイロンを使って折り位置を固定する。
なるべくゆっくり、ミシンを掛け始める。家庭用ミシンなので縫い始めと縫い終わりが目立たないように、足の内側にあたる箇所からかけはじめる。
やはり、脇割り、アウトスチーム、インターロックの箇所でつまる。生地が重なっているため、かなり針が通りにくい。ミシンを手動に切り替えてゆっくり縫ってみたが、うまく進まなくて糸がからんだ。
うまく縫えずに何度が繰り返していると、ついにミシンの針が折れた。
手縫いも挑戦してみたが、生地が厚くて硬すぎるので縫えない。結局、どうにもならないのでインターロックの内側の生地を直角に切って、そこだけ薄くして、ミシンの手動でゆっくり縫った。
もう片方も同様に裾上げをする。
うっかり、反対側の生地を巻き込んで縫ってしまった。
インターロックのシーム部分が一番硬い。ここも無理なら直角に内側の折り返す生地を切って、裾上げする。
完成した。遠目に見たら特に違和感はない。少しステッチが曲がってしまったが、着用するとわからない。意外と上手く行った。ビンテージデニムとして価値はなくなったかもしれないが、気にしない人は裾上げ方法まで気にしない。というかビンテージ古着屋でも裾上げは素人がやったのでは?というデニムも売っている。昔の方が簡単にチェーンステッチなどができなかったので、個人で自分で裾上げしていた人もけっこういたのだろう。
拡大すると、ステッチがガタガタの部分がある。ミシンのスピードをとにかく遅くして縫わないとデニム生地が厚くて硬いので針と生地の動きが連動せず、ガタガタになってしまう。
折れてしまった針はデニム用ではない針。一般生地用の11番の針。
デニムに使える中厚生地用の14番の針は折れることがなかったが、針が太いのでゆっくり縫わないと家庭用ミシンには負荷がかかる。
使った糸はこれ。
大黒絲業株式会社の家庭糸 JEANS225。ロットナンバーは1E1E。30の3コードと書いてある。
似ている糸やなんでもよければamazonなどにも売っている。実際、よほど変な色じゃない限りは裾とジーンズ本体のステッチ色が異なっても、気付かない。あとは自分が気にするかどうか。
1977年アメリカ製リーバイスコーデュロイパンツ646を家庭用ミシンで自分で裾上げ
ビンテージデニムの裾上げを自分でできたので、コーデュロイパンツの裾上げにも挑戦した。
USリーバイスの70sビンテージコーデュロイパンツ。裾が広がるフレアパンツのシルエットが特徴の646。古いコーデュロイは畝がボロボロなことが多いが、状態が良く、サイズがぴったりなので私物として購入。裾が長いので自分で裾上げした。
コーデュロイは生地が薄く、柔らかいのでとても縫いやすい。ジーンズと違ってアタリもないので、シングルステッチで十分。家庭用ミシンでも綺麗に縫って裾上げすることができた。
左が元々のビンテージ購入時の裾。右側が自分で家庭用ミシンで裾上げした裾。糸の色が綺麗なので発色が良く、目立つが着用していればわからない。
拡大すると、糸の色が異なるが、綺麗に縫うことができた。コーデュロイパンツは自分で裾上げしやすい。
両方の裾を家庭用ミシンで縫って、完成した。
デニムと違い、ステッチがガタガタになることはなかった。