人類を「奴隷」と称する筆者の考えの真相とは?!独自の視点で綴られた政治経済の問題の本質を突いた一冊!

最近テレビを眺めていると、思うことがある。ニュースで取り上げられる話題のほとんどは、戦争や紛争、詐欺や殺人といった暗い内容が多い。一方、バラエティ番組では話題のレストランや食べ物ばかりがピックアップされている。

他国の戦争であるにもかかわらず、それが他国の経済に与える影響は計り知れない。実際、日本でも物価が上がり、生活が苦しくなっている。一方で、メディアは話題の商品や食べ物を取り上げ、購買意欲を煽る演出をしている。物価が高くても買える人がいるからこそ成り立っているのだなと、格差の広がりを実感し、嫌気が差していた。

こういった自分も違和感や疑問を解決するため、ネットで情報を集めたり、YouTubeで色々な人の意見の動画を見たりした。本や電子書籍もいくつか読んでみた。その中でも特に印象が強かった、おすすめの本「政治経済の問題の本質 生物という奴隷」。インパクトのあるタイトルとイラストにつられて思わず購入して、面白かったので一気に読んだ。その内容には一読の価値があると感じた。今回はその書籍を紹介したい。

政治経済の本質的な問題の解決を目指し、1人でも多くの人に意味のある人生を送ってほしいという筆者の願い

「政治経済の問題とは何か」と問われたとき、多くの人は「経済成長の有無」に目を向けがちだと筆者は述べている。確かに、私自身もそう考えていた。失われた30年という言葉があるように、日本では十数年以上にわたり賃金の上昇が停滞し、経済成長も止まっているとされている。

しかし、「経済成長がなければ幸福になれないのか」と問われると、疑問が湧いてくる。幸福とは人それぞれで異なり、豊かさと幸福が必ずしも一致するわけではない。私もさまざまな国を旅してきた経験から、この点については深く同意できる。

では、なぜ多くの人や国家が経済成長を追い求めるのか。筆者によれば、その根本には人間が持つ生物としての本能や習性が深く関係しており、さらに外的な要因が複雑に絡み合っているという。

この根本的な原因を理解することで、真に「生きる」とは何かに気づき、問題の解決に近づくことができる。本書を読めば、そのきっかけを掴めるはずだ。

「生物という奴隷」に込められた筆者の考えとは

書籍の中では、「我々は奴隷である」という表現がたびたび登場する。センシティブな表現ではあるが、筆者は人間を3つの観点から「奴隷」と位置づけている。それは、「無知の奴隷」「本能の奴隷」「外的要因の奴隷」である。

ここで語られる「奴隷」とは、一般的な意味とはやや異なり、「頭では理解していても抜け出せないもの」や「気づいていながらも無視してやり過ごしているもの」といった存在であると私は解釈した。

特に「本能の奴隷」に関しては共感する点が多かった。この章を読み進める中で、無意識にそのように行動している自分に気づかされる。しかし、それは自分では容易にコントロールできない。まさに「奴隷」という表現がしっくりくる。自分の選択で全て物事が成り立っている生活で、自分が自分をコントロールできれば、もっと生活は改善されることが多々あると日々感じている。筆者がなぜ人間を「奴隷」と捉えたのか、書籍を通して自分なりの解釈を見出してほしい。

読み終えた時に生きることの本質が見えてくる稀有な書籍「政治経済の問題の本質 生物という奴隷」

筆者は書籍の冒頭や巻末で、「この問いに対する完全な答えを持っているわけではない」と明言している。しかし、その問題の本質を見つけるための思考の道筋を示してくれている。

最終的な答えは読者自身が探し出すしかないが、読み終えたときには何かが変わったと感じられる。そんな稀有な一冊である。生きることの本質に関心がある方は、ぜひ手に取ってみてほしい。