
ロンドン屈指の蚤の市!ケンプトンパーク競馬場アンティークマーケットとは

イギリス・ロンドン近郊で本格的なアンティークやヴィンテージ品を探しているなら、絶対に外せない聖地がある。それが、ケンプトンパーク競馬場(Kempton Park Racecourse)で開催されるアンティークマーケット(Sunbury Antiques Market)だ。バイヤーがヨーロッパ中から集まることで知られるこの大規模な蚤の市は、古着やジュエリー、インダストリアルな家具、美しいコレクタブルガラスなど、ありとあらゆる古いものが一堂に会する魅力的な空間である。

気になるのは、一般の観光客でも楽しめるのか、どのように行けば効率よく回れるのかという点だろう。結論から言うと、始発の公共交通機関を駆使すれば個人でも十分にアクセス可能であり、プロのバイヤーに混ざって一生モノの宝探しを楽しむことができる。

ただし、広大な敷地を攻略するためには、事前の準備と現地のリアルな雰囲気を知っておくことが不可欠だ。今回は、早朝の興奮に満ちたマーケットの様子から、実際に手に入れた戦利品、現地で気づいた注意点までを詳しく解説する。
早朝出発が鉄則!現地へのアクセスと入場システム

ケンプトンパークのアンティークマーケットを100%楽しむための最大のポイントは、とにかく「朝早く現地に到着すること」に尽きる。イベント自体は早朝6時30分からスタートするが、その時間に合わせて到着するためには、深夜バスなどを乗り継ぐ必要がある場合もある。今回はロンドン市内から始発の電車を利用し、現地には午前6時45分頃に到着した。この時間でも、すでに多くのバイヤーたちが真剣な眼差しで品定めを始めており、会場は独特の熱気に包まれていた。
入場料と現地の基本情報

一般入場の場合、入場料として5ポンドが必要となる(※イベントの開催スケジュールや詳細な入場規則については、事前に公式サイト等で最新情報を確認することをおすすめする)。クレジットカード決済可能。

競馬場の広大な駐車場や屋内スペースを利用して開催されているため、雰囲気はまさに大規模なフリーマーケットそのものだ。プロのバイヤーたちは、購入した品物を安全に持ち帰るために、自前のプチプチ(緩衝材)やキャリーカートを万全の体制で持参しているのが印象的であった。
広大な敷地に広がるお宝の山!現地のリアルな出店状況

午前7時を過ぎた段階では、まだすべてのブースが完成しているわけではなく、店主たちが車から荷物を下ろして準備を進めている最中のところも多かった。しかし、これからの展開を予感させるように、至る所にアンティークが並べられていく様子を見るだけでも胸が高鳴るはずだ。敷地は非常に広く、屋外の駐車場エリアから屋内のスペースまで、歩いても歩いても新しいブースが現れる。
多彩なジャンルが揃う出店ラインナップ
出店しているジャンルは実に多岐にわたる。

ヴィンテージジュエリー・宝石類:指輪やブローチ、美しいシルバーアクセサリーを専門に扱うブースが多数並ぶ。中には、9カラットゴールドのヴィンテージリングが385ポンド(日本円で約9万5000円、当時のレート換算に基づく)で売られているなど、高価な本格アンティークも存在する。サイズが合えば一生モノの出会いになるだろう。

インダストリアル家具・インテリア:チェリーウッドのベンチ(185ポンド)や小さな可愛らしい椅子、ヴィンテージのコカ・コーラケース、さらには街灯や道路交通標識といった大型のインダストリアルアイテムまで並ぶ。ただし、これらは日本への持ち帰りコスト(船便のコンテナ手配など)が非常に高くなるため、個人旅行者が衝動買いするには少々ハードルが高いかもしれない。

コレクタブルガラス・古い瓶:1960年代のロイヤルブルーのボトル(50ポンド)や、イギリスで古くから親しまれている「ミルク・オブ・マグネシア(マグネシウムの薬瓶)」の美しいブルーの空き瓶などが1本3〜5ポンド程度から手に入る。手軽に持ち帰れるインテリアとして、非常に人気の高いジャンルだ。
店主たちのトラックの車体を見ると、特定のアンティークショップの名前が書かれているものもあれば、ハウス・クリアランス(遺品整理や不用品回収)を行う業者のものと思われる車両もあった。イギリスの古い家庭から出てきたリアルな生活骨董が、そのままこのマーケットに集まってきているというわけだ。
値切りの交渉も醍醐味!今回のリアルな戦利品
アンティークマーケットの醍醐味といえば、店主とのコミュニケーションや価格交渉(ディスカウント)だろう。言葉が完全に通じなくても、商品のクオリティや希少性に感動している姿勢を見せることで、少し色をつけてくれることがある。今回、いくつかの魅力的なアイテムを実際に購入することができた。
購入品の詳細はこちらの動画で紹介している。
1. ティファニーのシルバーケース(約1100円)

山積みにされたガラクタのような箱の中から見つけたのが、英国航空(ブリティッシュ・エアウェイズ)の文字や「TIFFANY」の刻印が入った古いシルバーのケースだ。用途ははっきりとは分からないが、アクセサリーを収納するためのケースだろうか。店主に価格を尋ねると、最初は6ポンドという提示だったが、最終的に交渉を経て5ポンドに負けてもらうことができた。日本円にして約1100円。古いティファニーのシルバーというだけで所有欲が満たされる、素晴らしい出会いであった。
2. ヴィンテージの薬瓶(2本セットで10ポンド)

ガラス製品を乱雑に並べている別のブースで、非常に綺麗な状態のブルーのガラス瓶(大・小)を発見した。こちらも店主に確認すると、大きい方が5ポンドとのこと。最終的に2つのガラス瓶を合わせて10ポンド(約2200円)で購入した。中に何かを入れるわけではないが、窓際に置いておくだけで光を透過して美しいインテリアになってくれるだろう。
3. ミニサイズのアンティークボトル(1.5ポンド)

さらに探索を進めると、1本1.5ポンド(約3300円前後、現地価格の日本円換算)という格好の小瓶を販売しているブースを見つけた。デザインや質感が非常に良く、お土産やちょっとした飾りに最適なサイズ感であるため、迷わず購入を決定した。
現地を訪れる際の注意点と攻略のヒント
実際に早朝からケンプトンパークを歩き回ってみて分かった、読者の皆様が訪れる際に役立つリアルな注意点をいくつか共有したい。ヘッドライトもあった方が良い。
天候対策は絶対に欠かせない
イギリスの天気は非常に移り気だ。この日も午前7時45分を過ぎてあたりが明るくなってきた頃から、急激に激しい雨が降り出してきた。屋外の出店者たちは、大切なアンティークが濡れないように商品をブルーシートで覆ったり、ブースを急いで片付け始めたりするため、雨が降ると買い物の難易度が格好に上がってしまう。折りたたみ傘はもちろん、防水性の高いジャケットを着用して足を運ぶことを強くおすすめする。
購入品の持ち帰り用梱包材を用意すること

ガラス瓶や陶器、小さなアクセサリーを買い求める場合、お店によっては新聞紙等で簡易的に包んでくれるだけで、しっかりとした緩衝材(プチプチ)をくれないケースも多い。今回は手持ちの服に包んで割れないように持ち帰ったが、最初からクッション性のある袋や梱包材をカバンに忍ばせておくのがスマートなバイヤーのやり方と言えるだろう。
フードトラックで温かい朝食を
早朝から広い敷地を歩いていると、当然お腹がすいてくる。会場内にはホットドッグ(約6.5ポンド)や温かいコーヒー(約2.5ポンド、合計で約5.5ポンド〜6.5ポンド程度)を販売するケータリングカーが出店している。冷えた身体に染み渡るコーヒーを飲みながら、次の作戦を練る時間もまた一興だ。
まとめ:ケンプトンパークで自分だけのイギリス骨董を見つけよう

ロンドンのケンプトンパーク競馬場アンティークマーケットは、単なるフリーマーケットの枠を超えた、イギリスの歴史と文化が凝縮されたワンダーランドであった。始発の電車に乗るために早起きをする価値は間違いなくあると言える。高価なゴールドリングから、1ポンド台で買える小さなガラスの小瓶まで、予算に応じた宝探しが楽しめるのが最大の魅力だ。
もしこれから訪れるのであれば、「雨具の持参」「梱包材の用意」、そして「迷ったらその場で買う決断力」を意識してみてほしい。世界に一つだけのアンティークとの出会いを、ぜひ現地で体現してみてはいかがだろうか。
実際にマーケットを散策している動画はこちら。