国際宇宙ステーション(International Space Station)を見よう
国際宇宙ステーションといえば、宇宙兄弟。二人が観測しているシーンが印象的だった。
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観測できる日でも曇天や雨で見れなかったり、朝早くて諦めたり、方角や角度が悪くて見えなかったり。やっと、ついに見ることができた。
※チュークだから見えるんでしょ、とよく聞かれますが日本でも見れます!都心でも条件が良ければ余裕で見えます。日本で撮った写真は文末に。
実際に見てみた
2019年9月16日 18:20頃から18:30の10分間、外に出て準備をしたが、実際に国際宇宙ステーションを見つけた時はあまりの速さにちょっと慌ててしまい、ちゃんと撮影できなかった。国際宇宙ステーションを撮影するのは初めてだったのでカメラのインターバル撮影の設定も、微妙だった。
明合成ついでに作成した、タイムラプス動画。あっという間だったので、ほとんど撮れていないが、国際宇宙ステーションが動いていることがわかる。途中、雲に隠れるが、また出てくる。
別のカメラで撮影した動画。こちらは再生速度はそのままなので、実際に動いている速度。
撮影した写真は107枚。シャッタースピード1/4秒でインターバルは1秒に設定したが、国際宇宙ステーションの動くスピードが速すぎて、明合成した時にきれいに線にならなかった。
これが明合成した写真。写真中央から下に向かって、移動している。たった2分弱でこれだけ動いているということは、国際宇宙ステーションのスピードがわかる。光の点と点の間が離れているが、その距離を1秒で進んでいるということ。速い。肉眼でも十分動いていることがわかって、そのスピードに本当にビックリした。
そしてもう一つ驚いたのが、国際宇宙ステーションの明るさ。かなり明るいとは聞いていたが、実際に目にするとどの星よりも明るい。明るさは太陽と地球と国際宇宙ステーションの位置関係により観測する日によって変わるが、この日は近くにあった一等星のベガよりも明るいのがわかる。ベガでさえ、かなり明るい夜空でも簡単に見つけることができるので、国際宇宙ステーションはそれよりも明るく、観測しやすかった。
明合成のためにインターバル撮影した写真のうちの1枚。静止画で見ると動きがわかりにくいが、周りの星よりも明るいことがわかる。
黄色丸が国際宇宙ステーション。
実際に見てみた(2)
2019年10月14日 18時35分ごろ
国際宇宙ステーションとは?
英語でInternational Space Station。略してISS。日本の「きぼう」や「こうのとり」も参加している、1998年に建設が開始された国際宇宙ステーション。秒速約8km、時速約27,700kmで動いている。数字にしてみるとこの速さやばくない!?音速とかより速いんだけど。2024年に運用終了する、と言われていて、国際宇宙ステーションを見ることができるのはあと5年くらい。
参考
「きぼう」は国際宇宙ステーションの一部で、実験をするところ。「こうのとり」は国際宇宙ステーションと地球を行き来して、物資を補給する宇宙船。1回に6トンの物を運ぶことができるらしい。スケールが大きすぎて想像できない。
国際宇宙ステーションを見てみよう!
国際宇宙ステーションは星と違って、いつでも見られるわけではない。太陽の光を国際宇宙ステーション自体が反射して地球から見えるので、夕方か朝方に見えることが多い。基本、空のどんな星よりも明るいので、東京などの星が全然見えない場所でも見える。
国際宇宙ステーションの観測方法
国際宇宙ステーションを見るにはまずは観測できる日時を調べる必要がある。俺は薦める調べ方は3つ。いずれの方法も、直近の10日間くらいしか正確に調べることができないので、1ヶ月後とかを調べた場合は直前にまた確認すること。
JAXAのサイト「きぼうを見よう」で調べる
JAXAのサイトで調べることができる。日時リストは下記のような感じ。
このサイトを見るだけで国際宇宙ステーションを見れる日時がリストで表示される。また、日本地図でどこからなら見えるかアイコンを使って表示しているのでわかりやすい。国際宇宙ステーションに関する解説もわかりやすい。注意してほしいのは観測地。海外や東京から離れた場所で観測する場合は観測地を変える。
ただし、「きぼうを見よう」には基本日本地図しかない。緯度経度で指定をすることもできるが、ちょっとわかりにくい。
自分の場合はチュークで観測なので、右上の欄に緯度と経度を入力して、計算してもらった。結果は下記。(緯度経度の調べ方は後述)
緯度と経度を入力すれば、その観測地での情報が正しく出ているが、チュークの時間ではなく、日本時間で表示されているので注意。時差は計算できないようだ。「きぼうを見よう」は基本日本から見ることを想定されているようだ。日本からの観測ならこのサイトを使えば問題なし。リストの黄色の観測日時を狙って、観測しよう。
Heavens Aboveで調べる
国際宇宙ステーション以外の衛星や宇宙望遠鏡などの軌道、観測日も調べることができる、Heavens Above。右上のメニューで日本語を選べば日本語で利用できる。
右上のメニューから言語と観測地を変更する。観測地点をクリックすると、マップが表示され、検索で指定することができる。こちらも緯度経度の入力に対応。チュークの場合、緯度経度を正しく入力してもタイムゾーンが違った。ミクロネシア連邦首都ポンペイのタイムゾーンになっていて、国内に時差があるので、手動で修正した。
設定ができたら、トップページからISSUE(国際宇宙ステーション)を選択する。観測可能な日時がリストで表示される。
このサイトでは明るさを調べることができる。マイナスの数字が大きくなればなるほど明るく、見やすい。といっても、-0.8などでもかなり明るい。ただし、このサイトにはどの日がオススメか書かれていないので、日本で観測する場合は「きぼうを見よう」を薦める。
アプリ「ISS Finder」を使う
ISS(国際宇宙ステーション)を調べるアプリはいくつかあるが、俺は「ISS Finder」が一番調べやすかったのでオススメ。
実際のアプリ画面で調べる方法を紹介する。
他と同じく、まずは観測値の設定。GPSで現在地を指定してくれるので基本、困らない。
下のメニューでPassedを選び、上部のVisibleタブを選択してデータを読み込むと目視可能な観測日時が出てくる。このアプリで気に入っているところは星の数でオススメの観測日時を教えてくれるところだ。
観測日時をタップすると、詳細が見れる。中段のAltは角度。Max Altが高ければ高いほど空高くを通るので観測しやすい。方角や角度の図があり、観測データが見やすいのでこのアプリを使って、俺は普段から観測日時を調べている。なにより、外でもスマホですぐ調べられるのが良い。スマホ内蔵のコンパスアプリを使って、観測地で方角を把握しておこう。
観測地の緯度と経度を調べる
緯度経度を調べるにはグーグルマップが一番簡単。
グーグルマップを開いて、観測値を長押しクリック。話すと下にウィンドウが出てくる。この左(赤丸)に書かれているのが緯度。右(青丸)が経度。これをコピペすればOK。
観測データの見方
簡単に言ってしまえば「国際宇宙ステーションが見え始める時間と方角、一番空高く通る時の角度と方角、見えなくなる時の方角」を覚えればOK。「きぼうを見よう」のデータを使って解説する。
例として、9月16日のデータ。
国際宇宙ステーションが見え始めるのが4時2分。ほぼ真西の角度52度から出てくる。52度というと普通に夜空を見上げた角度だ。頭の真上が90度だから、見やすい角度だ。その1分後、西よりの南西を角度66度で通る。この時が一番観測しやすい。そして、3分後に南東に向かっていき、やがて見えなくなる。最初から最後までたったの4分。実際は雲や建物などがあると、そこは見えなくなるので見える範囲や時間はさらに短くなる。
最大の角度が90度になるべく近く、見えている時間が長い方が観測しやすい。
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チュークから見える星空や星座の解説はこちらの記事をどうぞ。わかりやすく、説明しています。www.kurakurakurarin.com
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