
9月のシルバーウィークにアイスランドを訪れ、レンタカーで島を一周するリングロードを走ってきた。レンタカーを借りたのは11日間。寄り道を含めた総走行距離は約3,020kmである。
アイスランド旅行を計画していると、大型の4WDやキャンピングカーをおすすめする情報がたくさん出てくる。しかし、リングロードを走るだけでも4WDが必要なのか、小型車では荷物を積めないのか、比較サイトと公式サイトのどちらから予約すべきなのかなど、初めてでは分かりにくいことも多い。

私は現地のレンタカー会社MyCarで、トヨタ・ヤリスのハイブリッド車を借りた。最上位の保険を含む11日間の料金は約18万5,500円。ガソリン代は約4万4,000円で、実燃費は約21.7km/Lだった。
この記事では、アイスランドで借りる車の選び方、レンタカーを予約する方法、実際にかかった料金、MyCarを使った感想を中心にまとめる。保険、ガソリンスタンド、駐車場、交通ルールについては、それぞれ別の記事で詳しく紹介する予定である。
最初に結論:夏から初秋のリングロードなら普通車で十分

最初に結論を書くと、夏から初秋にリングロードと一般的な観光地を回り、内陸部のFロードへ入らないのであれば、大型4WDではなく普通の乗用車で十分だった。私が借りたトヨタ・ヤリスでも、リングロードを一周し、周辺の観光地へ問題なく行くことができた。
ただし、単純に一番安い車を選べばよいわけではない。アイスランドは移動距離が長く、ガソリンも高い。乗車人数、荷物、燃費、保険、オートマかマニュアルかまで含めた総額で考える必要がある。

一人旅や二人旅でホテルに泊まりながらリングロードを走るなら、小型のオートマ車が現実的である。3~4人で大きなスーツケースを持っていくなら、ヤリスより一回り大きい車がよい。Fロードへ行く場合は、その道路の走行を許可された4WDが必要になる。
また、車両価格を抑えても、必要な保険を付けられなかったり、燃費の悪い大型車を選んだりすれば、旅行全体の費用は高くなる。検索結果の最安値だけではなく、保険と燃料代を含む最終的な金額で比較した方がよい。
リングロード一周と反時計回りをおすすめする理由

アイスランドを一周する国道1号線は、一般にリングロードと呼ばれている。全長は約1,332km。数字だけを見ると数日で走れそうに感じるが、実際の旅行では滝、氷河、黒い砂浜、温泉、火山地形などへ寄り道するため、走行距離は大幅に増える。

私の場合、レンタカーを11日間借り、実質10日間ほどでリングロードを中心に観光した。最終的な走行距離は約3,020kmで、リングロード本線の倍以上になった。観光地までの往復、宿泊地への移動、スナイフェルスネス半島への寄り道などを加えると、単純な一周距離だけでは計算できない。
リングロード本線は基本的に舗装されている。観光地へ向かう途中には未舗装路もあったが、私が訪れた一般的な観光地の範囲では、普通の乗用車で走ることができた。
初めてなら反時計回りが計画しやすい

初めてリングロードを一周するなら、私はレイキャビク周辺から南海岸へ向かう反時計回りをおすすめする。

南部にはセリャランスフォス、スコガフォス、レイニスファラ、氷河湖など、アイスランドを代表する観光地が集中している。
時計回りにして有名観光地を後半へ残すと、北部や東部で時間を使いすぎた場合、最後の南海岸が駆け足になる可能性がある。前半に優先度の高い場所を回っておけば、後半は残り時間に応じて立ち寄り先や移動距離を調整しやすい。

もちろん、アイスランドでは天気が大きく変わるため、出発直前の予報を見て時計回りへ変更する考え方もある。ただ、両方向の天候条件が同じであれば、初めての旅行では反時計回りの方が旅程を組みやすいと感じた。
アイスランドのレンタカーを検索・予約する方法

アイスランドのレンタカーを検索すると、Guide to Icelandという比較・予約サイトがよく表示される。多数のレンタカー会社と車種を一度に比較できるため、旅行日程で借りられる車や料金相場を把握するには便利である。
ただし、比較サイトに表示された金額でそのまま予約する前に、候補にしたレンタカー会社の公式サイトも確認した方がよい。私が実際に行った手順は以下である。
- Guide to Icelandで日程、受取場所、オートマなどの条件を指定する
- 車の大きさ、保険、口コミを見て候補を絞る
- 候補になったレンタカー会社の公式サイトを開く
- 同じ日程、同じ車両クラス、同程度の保険を付けて総額を比較する
- キャンセル規定と走行条件を確認して予約する
私はGuide to IcelandでMyCarを見つけたが、最終的にはMyCar公式サイトから英語で直接予約した。私が確認したときは、公式サイトの方が安かったためである。
比較サイトと公式サイトで大きな料金差が出ることがある

動画を撮影した時点で同じような条件を検索すると、Guide to Iceland経由でヤリスに最上位の保険を付けた金額が約17万9,000円だった。一方、MyCar公式サイトでは同程度の条件が約12万円で表示され、かなりの差があった。
ただし、必ず公式サイトの方が安いという意味ではない。レンタカー料金は、旅行時期、予約のタイミング、残っている車の数で大きく変わる。私が旅行したシルバーウィーク付近は、動画撮影時より選べる車が少なく、実際の予約料金も高かった。

比較サイトで割引が出る場合もあれば、公式サイト独自のキャンペーンが行われる場合もある。同じように見えるプランでも保険やキャンセル条件が異なることがあるため、最終金額だけでなく、含まれている内容まで揃えて比べる必要がある。
安く見えても保険を追加できない車には注意
検索結果には、一見するとかなり安い車も出てきた。しかし、詳細を見ると必要な保険がほとんど含まれておらず、比較サイト上では十分な補償を追加できない車もあった。
公式サイトへ移動すれば上位保険を追加できる可能性はあるが、補償内容が不明な状態で安さだけを優先するのは怖い。アイスランドでは普通の舗装路でも飛び石が起きる。実際に私もフロントガラスにひびが入ったため、車両代と必要な保険を合計した金額で比較することをおすすめする。
ケプラヴィーク国際空港とレイキャビク空港を間違えない

レイキャビク周辺には、旅行者が混同しやすい2つの空港がある。日本から乗り継いで到着する国際線の空港は、レイキャビク中心部から離れたケプラヴィーク国際空港である。一方、レイキャビク市内に近いレイキャビク空港は、主に国内線で使われる。
国際線で到着後、そのままレンタカーを借りるのであれば、受取場所は基本的にケプラヴィーク国際空港を選ぶ。検索画面で「Reykjavík Airport」を選んでしまうと、到着した場所とは別の営業所になる可能性がある。
予約前には空港名だけでなく、空港コードや営業所の住所を確認した方がよい。レンタカー会社によっては空港ターミナル内にカウンターがなく、スタッフとの待ち合わせ後に送迎車で営業所へ移動する。
普通車・4WD・キャンピングカーの選び方

アイスランドでは自然やアドベンチャーを目的に訪れる人が多く、レンタカー検索では大型4WDやキャンピングカーが目立つ。写真を見ると4WDでなければ旅行できない国のように感じるが、夏から初秋にリングロードと一般的な観光地を回るだけなら、普通の乗用車で問題なかった。
Fロードへ入るなら4WDが必要
例外は、アイスランド内陸部の山岳道路であるFロードだ。Fロードは普通の乗用車では走行できず、4WDが必要になる。道路によって難易度は大きく異なり、単に4WDであればどの車でもよいわけではない。川を渡る区間がある道路では、車高や渡河能力まで考える必要がある。
レンタカー会社によっては、4WDでも走行を許可していない道路がある。Fロードを計画している人は、行きたい道路名を決めたうえで、その車両で走行できるかをレンタカー会社に確認すべきである。
逆に、Fロードへ行かず、通常のリングロード観光をするのであれば、必要以上に大きな4WDを借りる必要はない。大型車はレンタカー料金だけでなく、ガソリン代も高くなる。
キャンピングカーが向いている人
キャンプ場を使いながら旅行したい人や、宿の場所に縛られずに日程を組みたい人にはキャンピングカーも候補になる。ただし、車両代、燃費、車体の大きさ、強風時の運転、睡眠環境、キャンプ場の営業時期まで含めて判断する必要がある。
ホテルやゲストハウスを予約して回る旅行であれば、普通の乗用車の方が運転しやすく、燃費もよい。私は毎日宿に泊まる旅程だったため、キャンピングカーを選ぶ必要はなかった。
オートマ車とマニュアル車の注意点

アイスランドを含むヨーロッパでは、マニュアル車の割合が高い。検索結果で安い車を見つけても、詳細を見るとマニュアル車であることが珍しくない。オートマを希望する場合は、検索条件で「Automatic」を明示的に選んだ方がよい。
私はマニュアル免許を持っているが、免許取得後にマニュアル車を運転したのは1~2回程度しかない。慣れない左ハンドル、右側通行、ラウンドアバウト、高速の対面通行に加えてシフト操作まで行うのは難しいと判断した。
日本で日常的にマニュアル車を運転している人でなければ、最初からオートマに絞るのが無難である。予約後の確認書にも「Automatic」と書かれているか、必ず確認した方がよい。
トヨタ・ヤリスのハイブリッドを選んだ理由

私が選んだのはトヨタ・ヤリスのハイブリッド車である。日本でもヤリスに乗っており、操作に慣れていたことも理由だが、最大の決め手は燃費だった。
アイスランドはガソリンが非常に高い。しかも、リングロード一周旅行では2,000~3,000km以上走る可能性がある。レンタカー代が少し安くても燃費が悪ければ、旅行全体の費用は高くなる。長距離を走るほど、車両料金と燃料代をセットで考えることが重要になる。
ヤリスは一人旅や二人旅にちょうどよい
ヤリスは一人旅や二人旅には使いやすい。ただし、3~4人分の大きなスーツケースを積むとなると狭い。3~4人で旅行するなら、Kia Ceedのような一回り大きい車や、荷室に余裕のある車を選んだ方がよい。
検索画面の「乗車人数4人」という表示だけを見て決めず、スーツケースを何個積めるかを確認する必要がある。アイスランドでは「ヤリスまたは同等クラス」のような予約になる場合も多く、必ず同じ車種が用意されるとは限らない。
11日間・約3,020kmで実際にかかった費用
- レンタカー会社:MyCar
- 車種:トヨタ・ヤリス ハイブリッド
- トランスミッション:オートマ
- レンタル期間:11日間
- 保険:最上位の保険パッケージ
- レンタカー総額:約185,500円
- 走行距離:約3,020km
- ガソリン代:約44,000円
- 実燃費:約21.7km/L
レンタカーだけで18万円以上かかったことには驚いた。しかし、シルバーウィーク付近の時期に11日間借り、最上位の保険を付けた金額である。物価の高いアイスランドでは、レンタカーも安くない。
それでも、ヤリス・ハイブリッドの実燃費は約21.7km/Lと優秀だった。より大きなガソリン車を選んでいれば、ガソリン代がさらに2万~3万円ほど高くなっていた可能性がある。車両代自体も上がるため、少人数のリングロード旅行では小型ハイブリッドのメリットが大きかった。
なお、上記の円換算額、ガソリン価格、レンタカー料金は私が旅行した時点の金額である。予約時期、季節、為替、車両在庫によって大きく変わるため、現在の価格は同じ条件で比較してほしい。
MyCarを利用した感想

MyCarの口コミは、全体として極端に悪いものではなかった。「空港に送迎バスが来ない」という口コミも見かけたが、私の場合はケプラヴィーク国際空港に到着するとスタッフが待っており、すぐに営業所へ連れて行ってもらえた。
受取そのものは大きな問題なく進んだが、予約に関して気になる出来事があった。私はヤリスを予約していたにもかかわらず、出発直前に予約確認画面を見ると、事前の連絡なしでKiaの別車種へ変更されていた。
すぐにメールで問い合わせた結果、最終的にはヤリスに戻してもらえた。しかし、燃費を理由に車種を選んでいたため、無断で変更されていたことには不信感が残った。
「または同等クラス」という契約では、完全に同じ車種が保証されないこともある。それでも、燃料種別、車体サイズ、駆動方式などが変われば、旅行費用や走れる道に影響する。予約したら終わりではなく、出発の1~2週間前と前日に予約内容を見直した方がよい。
レンタカー会社は料金だけでなく口コミを見る
比較サイトには非常に多くのレンタカー会社が掲載されている。知名度の低い会社や、料金は安いが評価の低い会社も混ざっている。
サポートへの連絡がつきにくい、空港送迎が来ない、返却後に傷を指摘されて追加料金を請求されたなどの口コミもある。すべての低評価が正しいとは限らないが、同じ内容の悪い口コミが繰り返されている会社は避けた方が安心である。
私はMyCarで大きな問題なく11日間の旅行を終えられた。飛び石でフロントガラスにひびが入った際も、加入していた保険で追加負担は発生しなかった。一方で、予約車種が事前連絡なしに変更されていたことを考えると、全面的に任せきりにせず、自分でも予約内容を確認する必要がある会社だと感じた。
保険・給油・駐車場・運転の注意点

レンタカーの予約後には、保険、給油方法、駐車料金、交通ルールの準備も必要になる。それぞれは独立した情報量が多いため、別の記事で詳しくまとめる。ここでは、実際に旅行して特に重要だと感じた結論だけを紹介する。
飛び石を考えて上位保険を検討する
旅行中、普通の舗装路を走っているときに対向車が小石を跳ね、フロントガラスにひびが入った。最上位の保険で補償され、追加負担はなかった。保険名だけで判断せず、ガラス、砂利、砂・火山灰、タイヤ、ホイール、車体下部、強風によるドア損傷などの対象範囲を確認した方がよい。
アイスランドのレンタカー保険は必要?飛び石でフロントガラスが割れたwww - Travel Kurarin
ガソリンは「95」を確認する
アイスランドの主要なガソリンスタンドはN1、Orkan、Olísである。レンタカーのレギュラーガソリンは「95」と表示されており、給油機ではクレジットカードと暗証番号を使った。長距離を走るため、地方では残量が少なくなる前に給油した方が安心である。
アイスランドのガソリンスタンド完全ガイド!給油方法・レギュラーガソリン95の選び方・カード決済を解説 - Travel Kurarin
ParkaとEasyParkを日本で準備する
レイキャビクや観光地の駐車料金は、ParkaやEasyParkなどのアプリ、またはQRコードから支払う場所が多かった。北部のアークレイリ近くには、料金所がなくオンラインで支払う有料トンネルもある。VisaとMastercardを複数枚持ち、アプリには日本にいる間にカードを登録しておくとよい。
アイスランドの駐車場と有料トンネルの支払い方法!Parka・EasyPark・カード決済を解説 - Travel Kurarin
左ハンドル・右側通行以外にも注意点が多い
アイスランドでは左ハンドル・右側通行となり、ラウンドアバウトや一車線橋も多い。昼間もライトを点灯し、羊や鳥の飛び出し、強風、急な天候悪化にも注意が必要である。9月の北部では実際に雪も降ったため、天気と道路状況は毎日確認した方がよい。
アイスランドをレンタカーで3,000km運転!交通ルールと道路事情、注意点を解説 - Travel Kurarin
アイスランドでレンタカーを予約する前のチェックリスト
最後に、レンタカーを予約する前に確認したい項目をまとめる。
- 受取場所がケプラヴィーク国際空港になっているか
- オートマ車か、マニュアル車か
- 乗車人数だけでなく、全員の荷物を積める大きさか
- Fロードへ行く場合、その車両で走行が許可されているか
- 比較サイトとレンタカー会社公式サイトの両方を確認したか
- 車両代だけでなく、必要な保険を含む総額を比較したか
- 免責額と補償対象外の部分を確認したか
- レンタカー会社の低評価口コミに共通点がないか
- 空港送迎の方法と営業時間を確認したか
- 走行距離制限とキャンセル条件を確認したか
- 予約後に車種や条件が変更されていないか
夏から初秋に一般的なリングロード観光をするのであれば、必要以上に大型の4WDを選ぶ必要はない。一人旅や二人旅なら、燃費のよい小型オートマ車が使いやすい。ただし、料金の安さだけで決めず、荷物、保険、燃費、口コミまで確認することが大切である。
私はヤリス・ハイブリッドで約3,020kmを走り、大きな事故なくアイスランドを一周できた。レンタカー代は高かったが、好きな場所で車を止め、時間を気にせず大自然を回れたことを考えると、レンタカーを選んでよかったと思っている。