
9月のシルバーウィークにレンタカーでアイスランドを一周した。MyCarでトヨタ・ヤリスのハイブリッド車を11日間借り、寄り道を含めて約3,020kmを走った。
アイスランドは日本と反対の左ハンドル・右側通行である。レイキャビクを離れると交通量は少なく、右側通行そのものには次第に慣れた。しかし、片側1車線の対面通行、ラウンドアバウト、強風、動物、急な雪など、日本とは違う怖さもあった。
この記事では、実際に約3,020kmを運転して分かった交通ルールと道路事情、出発前に知っておきたい注意点をまとめる。
結論:右側通行よりも速度・風・天候に注意する

最初に結論を書くと、右側通行は落ち着いて走れば慣れる。それ以上に注意したいのが、舗装路を90km/h前後で走り続ける緊張、中央分離帯のない対面通行、強風、羊の飛び出し、短時間で変化する天候である。
現地の車が速くても無理に合わせず、毎日出発前に道路状況と天気を確認する。目的地へ早く着くことより、明るいうちに余裕を持って走り終える日程が重要だった。
左ハンドル・右側通行は最初の交差点に注意

運転席は左側、車は道路の右側を走る。特に間違えやすいのは、駐車場やガソリンスタンドから道路へ出る時と、交差点を曲がった直後である。前の車がいない場所では、日本の感覚で左側へ入らないよう意識した。
ウインカーとワイパーのレバーも、日本で乗っている車と左右が違う場合がある。最初に広い場所でライト、ウインカー、ワイパー、シフトの位置を確認してから一般道へ出る方がよい。私は普段マニュアル車を運転しないため、慣れない交通環境でシフト操作まで増やさないようオートマ車を選んだ。
一般的な舗装路の最高速度は90km/h
SafeTravel Icelandの運転案内によると、一般的な最高速度は市街地50km/h、地方の未舗装路80km/h、地方の舗装路90km/hである。実際には標識の指示が優先される。
動画では体感として「時速100km前後で長時間走る」と話しているが、リングロードの一般的な舗装区間の上限は90km/hである。こちらが制限速度付近で走っていても、勢いよく追い越していく車はいた。しかし、周囲に合わせて速度超過をする必要はない。

後ろから速い車が来ても、急に路肩へ寄ったり速度を上げたりせず、正式な待避場所など安全に譲れる場所を使う。制限速度内でも、雨、雪、砂利、横風などの条件に合わせてさらに速度を落とす必要がある。
片側1車線で高速の対向車とすれ違う

リングロードの多くは中央分離帯のない片側1車線である。双方が90km/h前後で走り、すぐ横をすれ違うため、普段あまり運転しない人にはかなり怖く感じると思う。
対向車が来るたびに急減速すると後続車にも影響するが、怖いまま無理に速度を維持するのも危険である。自分が車線を安定して保てる速度で走り、ハンドルは両手で持つ。私は普通の舗装路で対向車の飛び石を受け、フロントガラスにひびが入った。対向車との距離を取れない道路では、保険の準備も重要である。
2車線ラウンドアバウトは内側車線が優先
アイスランドにはラウンドアバウトが多く、環状道路内を走っている車が優先される。右側通行なので反時計回りに進み、進入時は環状道路を走る車の流れを妨げないようにする。
特に注意したいのが2車線のラウンドアバウトである。アイスランドでは、内側車線の車が出口へ向かう際に優先され、外側車線の車は譲る。外側を走っているからそのまま出口へ出られるとは限らない。出口を通り過ぎてももう一周できるので、直前の無理な車線変更はしない方がよい。
昼間もヘッドライトとテールライトを点灯する
アイスランドでは一年を通して、昼間でもヘッドライトとテールライトを点灯する必要がある。オートライトでは明るい時間にテールライトが点かない場合があるため、出発前に前後のライトを確認する。
周囲が明るくても、雨や霧、雪で急に視界が悪くなる。自分が道路を見るためだけでなく、対向車から自分の車を見つけてもらうためのライトだと考えた方がよい。
一車線橋は手前から50km/h以下へ減速する
リングロード上にも、対向車と同時に渡れない一車線橋がある。SafeTravelの案内では橋上の制限速度は50km/hで、橋に近い車が優先とされている。ただし、相手も同じ判断をするとは限らない。橋の直前ではなく手前から減速し、相手が止まるのかを確認してから進む。
羊や鳥が道路へ飛び出す

走行中、羊や大きな鳥が突然道路へ出てくることがあった。道路脇にいるだけだと思っても、車が近づいた瞬間に進路を変える可能性がある。
特に羊が道路の両側に分かれている場合、子羊が親の方へ走ることがある。アイスランドらしい光景だからと運転中に見続けたり撮影したりせず、すぐ止まれる速度まで落とす必要がある。
9月でも雪が降り、強風で車が流される

私は冬の本格的な積雪を避けて9月に旅行したが、北部の山間部では実際に雪が降った。その時はノーマルタイヤでも走れる程度だったものの、日程や標高、寒波によっては、より厳しい状況になっていた可能性がある。春や秋でも冬の道路になることを前提にした方がよい。
また、見通しのよい直線道路でも強い横風を受けると車が流される。風が強い日は速度を落とし、ハンドルを両手で持つ。停車後も安心せず、ドアは片手で勢いよく開けずに両手で押さえる。突風によるドアの損傷は、上位保険でも対象外になる場合がある。
景色がよくても道路や狭い路肩へ停車しない

アイスランドでは、運転中に何度も車を止めたくなる景色が現れる。しかし、道路上や狭い路肩への急停車は危険である。後続車は高速で近づいてくるため、写真を撮る場合は正式な駐車場や、道路から十分に離れられる場所を探す。
信号が少なく、同じような景色が続く区間では疲労にも気づきにくい。長距離を一気に走れそうに見えても、眠くなる前にガソリンスタンドや観光地で休憩する。到着時刻を詰め込みすぎないことも安全対策である。
道路状況と天気は移動中も確認する
Googleマップに道路が表示されていても、積雪、強風、冠水、工事、通行止めが正確に反映されるとは限らない。最新の道路状況はアイスランド道路交通情報、天候や警報はSafeTravel Icelandで確認できる。
長距離移動の日は朝に一度見るだけでなく、休憩時にも確認した。次の宿を予約していても、道路状況が悪ければ予定変更を優先する判断が必要である。
アイスランドを運転する前のチェックリスト
- 右側通行とラウンドアバウトのルールを確認した
- ライト、ウインカー、ワイパーの操作を確認した
- 昼間もヘッドライトとテールライトを点灯した
- 制限速度ではなく、天候と路面に合う速度で走った
- SafeTravelと道路交通情報をブックマークした
- 一車線橋の手前で十分に減速した
- 羊や鳥を見つけたら飛び出しを想定した
- 強風時は運転速度とドアの開閉に注意した
- 正式な駐車場所でのみ停車した
- 長距離を一気に走らず、早めに休憩した
まとめ:交通量が少なくても簡単な道路ではない

左ハンドル・右側通行には徐々に慣れたが、アイスランドの運転で最後まで気を抜けなかったのは、速度、対面通行、強風、動物、急な天候変化だった。交通量が少ないことと、道路が簡単であることは同じではない。
一方で、ルールを事前に知り、無理のない日程で道路状況を確認しながら走れば、必要以上に怖がることはない。私は11日間で約3,020kmを走り、大きな事故なくアイスランドを一周できた。好きな場所で止まり、自分の時間で大自然を巡れたことを考えると、レンタカーを選んでよかったと思っている。