ドクターマーチンの症状別靴擦れ対策と慣らし方【新品・中古】
10年以上、ドクターマーチンを履いてきた。所有するドクターマーチンは20足以上。サンダル、3ホール、8ホール、10ホール、チェルシーブーツ(サイドゴア)、スチールトゥ、Tバーのメリー・ジェーンなど色々な種類を履いてきて、その度に靴擦れで痛い思いをした。靴擦れとの戦いは新品でも中古でもドクターマーチン好きの宿命。私の経験による慣らし方や症状別部位別の対応策を紹介。
- ドクターマーチンの症状別靴擦れ対策と慣らし方【新品・中古】
- ドクターマーチンの靴擦れの症状別、部位別の対策
まずは一緒にお風呂に入ろう!新品のドクターマーチンの慣らし方
色々ネットにドクターマーチンを慣らす情報がある。クリームを使うとか部屋で履くとかドライヤーで温めるとか。やってみてほしい。何か変わるだろうか?
俺が勧める方法はドクターマーチンを履いて一緒にお風呂に入ること!詳細は別記事で紹介。 もちろん中古マーチンで靴擦れする場合にも効果がある。
一緒にお風呂!ドクターマーチンの慣らし方 - Travel Kurarin
ドクターマーチンの慣らし方、靴ずれ防止対策の基礎
新品のドクターマーチンを慣らすには風呂に入るのも有効だが、結局は日常的に履くのが一番効果的だ。そして、毎回靴ずれをしていたら痛くて履くのがつらいだろう。ドクターマーチンの靴ずれ防止対策は慣らす方法でもあるのだ。基礎的な対策として2つ。
- インソールをもう1枚入れられるサイズを推奨。インソールは100円ショップでOK。
(歩き疲れにくくなるし、3ホールはくるぶしあたりの靴ずれ防止にもなる)
ドクターマーチンに100均のインソールを使ってみた - Travel Kurarin - メリノウール素材などの登山用靴下など、厚手の靴下を着用する。
(8ホールなどは蒸れ対策にもなる。慣れてきたら薄手のコットン靴下などでも履けるようになる)
ちなみにドクターマーチン公式でも厚手の靴下を販売している。
ドクターマーチンの靴擦れの症状別、部位別の対策
古着屋で購入した中古やビンテージのドクターマーチンはすでに慣らされていることが多いが、型崩れしていて靴擦れすることがある。その場合も一度風呂に入れて型を戻したり、靴擦れ対策をすれば履くことができる。
私自身が経験してきたドクターマーチンの症状別部位別の靴擦れを羅列した。
- 踵、アキレス腱付近の靴擦れ(最も多い靴擦れの症状)
- 親指側の痛み、足の指の付け根や甲の痛み
- 小指側の痛み、指先の痛み
- 拇指球(足の裏の親指の付け根にあるふくらみ)の痛み
- くるぶしの痛み(特に3ホールの縁にあたって痛い)
- ふくらはぎやスネの痛み(サイドゴア、8ホールの縁があたって痛い)
順番に対応策を紹介する。
踵、アキレス腱付近の靴擦れ(最も多い靴擦れの症状)
最も多いであろうドクターマーチンの靴擦れが踵からアキレス腱のあたり。自分もよく痛む。靴下を履いて、ドクターマーチンを着用するのが大前提。お風呂で馴染ませた上で、下記の対策を勧める。新品の場合は絶対に踵が痛くなるので、ドクターマーチン好きになるための修行だと思うしかない。風呂に一緒に入って馴染ませて、靴擦れなしで履けるように対策をしよう。
もう一度、風呂に一緒に入ってドクターマーチンを慣らす
多分、ドクターマーチンと一緒にお風呂に入る対策を推奨しているのは私だけだと思う。しかし騙されたと思って一度やってみてほしい。多分、これを読んでくれている方はまだ実行していないのでは?踵が痛いならとりあえず、お湯で揉んで馴染ませてみて欲しい。既に1回やった人はもう一度。いくら靴擦れパッドで対策をしても限界があるので、面倒だがドクターマーチン自体の形を自分の足に馴染ませるのが一番効果的。そして、たくさん履いてあげることが大事だ。
踵に直にワセリンを塗る
個人的に効果が高いのはこれ。ワセリンを塗って靴擦れ防止。リップクリームなどで代用してみたことがあるが、あまり効果がなかった。ワセリンが一番良い。外出先で痛くなり始めた時にすぐ塗れるように小分けにしておくとさらに安心。
まずは素足で靴擦れしやすい箇所にワセリンを塗る。あとは普通に靴下を履いて、ドクターマーチンを履くだけでOK。けっこう効果があるので是非お試しあれ。
他に代用品としては、ベビーパウダーかシャンプーも使える。ベビーパウダーは素足に振りかけて、靴下を履けばOK。シャンプーは素足に微量を塗って、靴下を履けばOK。ただし、ベビーパウダーはそこまで効果がない上に粉で汚れたり、振りかけるのが面倒だったり。シャンプーは靴下がベタつくのが気になる場合は向かない。ワセリンが一番お薦め。
最近、パンプスなどの靴擦れ防止に使えると話題のProtect J1(プロテクト ジェイワン)もかなり使える。元々はスポーツ用の肌の擦れ防止クリームなので靴擦れにも効果が高い。ワセリンよりも少しだけ値段が高いが着用感はジェイワンの方がとても良い。女性の方は他のブーツやパンプス、ヒールなどにも使えるので1本あると便利。ジェイワンを塗った上に、テーピングのホワイトテープを貼っておくと対策としては最強。靴擦れする前にキズパワーパッドを貼っておくのも対策になる。
踵に靴擦れ防止パッドを貼る
100円ショップの靴擦れ防止対策グッズ。ジェルパッドなどがある。
貼り付けるタイプも悪くはないが、すぐ剝がれることが多い。
これらの踵靴擦れ防止対策グッズはパンプスやビジネスシューズ向けに作られているがドクターマーチンにも使える。特にジェルパッドは個人的に効果が高いと思う。踵からアキレス腱のあたりの、よく靴擦れしやすい箇所に縦に貼ると劇的に靴擦れがなくなったこともある。ただし、見た目が微妙。あと履く時・脱ぐ時に剥がれないか気をつけるのが面倒。すぐ剝がれてしまうのが難点。ほぼ使い捨てくらいに考えておくのが良い。結局、何度か風呂に入って、何度も履いて、馴染ませつつ、ワセリンで靴擦れ予防をするのがベストな対策。
トコノールで踵、靴擦れする箇所を磨く
革製品やハンドメイドで使用する、仕上材のトコノール。ドクターマーチンの足を入れる靴の内側、革の裏面を床面(トコメン)と呼ぶ。床面を整える磨き剤がトコノール。塗り方は簡単。指で適量取って、塗って、タオルで擦るだけ。ゴワゴワしていた革裏面が滑らかになる。意外とけっこう擦らないと効果がないので、塗ってタオルで擦る、を2回くらい行うと、踵の靴擦れが軽減する。靴下やタイルが摩擦で削れて破れるのも少し予防できる。
靴擦れするドクターマーチンをトコノールで踵を磨く前。踵のヒールカウンター全体が当たって擦れて痛かった。
磨いた後。触るとすごい滑らかになっているのがわかるんだけど、写真で伝えるのが難しい。靴擦れの症状は軽くなった。
親指、小指、足の指の付け根、指先、足の甲の痛み
足先、つま先周辺の痛みは共通して足がドクターマーチンによって圧迫されているのが原因のことが多い。
親指側の痛み
左右から足の指が圧迫されて、サイズが合っていないことが多い。もしくはアッパーの革が硬く、足の指の付け根が曲がった時に折り曲がった革が足に当たって痛い。
歩くたびに曲がり、アッパーの革が折れる足の指の付け根は、踵の次に多い靴擦れではないだろうか。どちらもすぐに改善するのが難しいが、ドクターマーチン風呂+ワセリンが効果的。個人的には特に8ホールで親指側が痛くなることが多いので、風呂でよく揉んでいる。
靴下が分厚くて、靴の中で足が窮屈な場合も痛くなりやすいので、余裕なサイズ+インソールでサイズ調整を勧める。
小指側の痛み
足の甲側が痛いのであれば、対策は親指側の痛みと大体同じ。
中古のドクターマーチンだと足の裏の小指側が痛くなることが多い印象。インソールが交換できない中古ドクターマーチンの場合、インソールが踏み潰されており、ソールのつなぎ目段差が浮いてることがある。その段差に小指の指先などが当たって小指側が痛いことがある。
この場合は、段差を埋めるためにインソールを追加して対応するしかない。もし、サイズがピッタリだとインソール追加ができないので中古ドクターマーチンを買う時はインソールの状態確認は必須。余裕があるサイズなら、インソールが潰れていてもインソールを追加すれば解決できるのでOK!
足の指先全体が痛い、足の甲が痛い、靴擦れが痛すぎて全く履けない場合は靴伸ばしを使う
サイズ選びを間違えてしまった、靴擦れが痛すぎて履けない、という場合はシューズフィッターなどの靴を伸ばすための木型をドクターマーチンの中に入れて、強制的に伸ばす方法もある。3ホールは下記の通常タイプでOK。
8ホールなどのブーツタイプにはブーツ専用のシューズフィッターを使う。
どうしてもサイズが合わない場合はシューズフィッターを入れてギチギチに伸ばして、風呂に入れて、しっかり温め、丁寧に乾かすと少しだけ伸びる(気がする)。やりすぎるとステッチなどが破れたりするので、注意。個人的にはドクターマーチンの革はそんなに伸びないので推奨方法ではない。(ドクターマーチンの中でも伸びる柔らかい革もあるが)シューズフィッターで革を伸ばして慣らすのは、あくまで最終手段。
上記のような、革靴などをピンポイントで伸ばすポイントストレッチャーがあるが、ペンチのような器具で無理やり力を加えるので俺は推奨しない。ペンチタイプは靴のサイズが大きいと、革を伸ばしたいつま先まで入らないこともあるので注意。
ミズノのストロングオイルは革靴も柔らかくできる。オイルランプで炙って揉み込む。
前述の、足の指の付け根の痛み。靴の修理屋などでは革靴に噛まれる、という表現をするらしい。この靴擦れは厄介で、なかなか対策が難しいが、一番効果があるのはミズノのストロングオイルを大量に塗って、オイルランプで炙って温めながら揉みまくる方法。
ミズノのストロングオイルは所ジョージさんが革ジャンを柔らかくする方法として紹介して人気になった。これはドクターマーチンなどの革靴に塗っても効果がある。
指先でストロングオイルを取って、革靴に塗り込み、オイルランプで炙る。あまり近づけると焦げるので注意。あと靴紐やステッチも燃えやすいので注意。塗っているのは油なのですぐ溶ける。やりすぎるとオイルが触れないほど熱くなって軽く火傷するので注意。温めて揉む、温めて揉む、を繰りかえす。できれば内側からもオイルを塗って揉み込んでおこう。先が丸い棒などで内側から強く押し込むと、革が少し伸びてさらに靴擦れがしにくくなる。
足の裏の拇指球(足の裏の親指の付け根にあるふくらみ)の痛み
これはあまりない症状だが、インソールが薄かったり、ビンテージや中古のドクターマーチンだとクッションが弱っていて痛むことがある。ドクターマーチンに限らず、退室や姿勢の問題で歩き方が悪くて拇指球が弱い、痛む人もいる。
母趾球(ぼしきゅう)は、足の裏の親指の付け根にあるふくらみである。歩行時や走る時、ジャンプの時などに体重が乗り、地面を蹴る部分である。
中古のドクターマーチンだと、前述の通り、インソールが潰れている場合がある。インソールを交換、追加できるなら良いができない場合は100円ショップの拇指球用パッドなどで対策する。
ダイソー、キャンドゥなどの靴コーナーでつま先用のパッドが打っている。
拇指球はビジネスシューズや革靴、女性のパンプスでも痛む箇所なので対策グッズが豊富。
実際に拇指球パッドを付けてみる。
ビンテージの英国製ドクターマーチン。左側のインソールが潰れて段差が浮き出ているのがわかるだろうか。
キャンドゥのパッドを入れた様子。見た目は微妙だが、履き心地は格段に良くなる。
ダイソーのジェルパッド。拇指球のみを保護してくれるので、ピンポイントで靴擦れ対策に使える。効果はあるが、見た目は微妙。
見た目を気にするならインソールごと交換 または 追加したい。サイズに余裕があればインソール追加で対策しよう。100均のインソールでも十分使える。私は古いビンテージのドクターマーチンの潰れたインソールを無理やり剥がして、黒の無地100円インソールを入れ直して履いていることも多い。また、サイズが少し大きくても中古で安いドクターマーチンを見つけたら、買ってインソールを追加して履いている。
ドクターマーチンに100均のインソールを使ってみた - Travel Kurarin
くるぶしの痛み(特に3ホールの足首、縁にあたって痛い)
特に3ホールに多いが、くるぶしが縁に当たって痛い。くるぶし付近の革を伸ばしてみたり、テニスボールや野球ボールを突っ込んで縁の円周を広げてみたり、対策してみたがあまり効果がなかった。
どうしてもくるぶしが痛い場合は、かかとだけのインソールを入れて、くるぶしの位置を高くして、ドクターマーチンとくるぶしが直接当たらないようにするしかない。物理的にくるぶしがドクターマーチンに当たらなくなるので効果は抜群。出先で傷んだ場合は、ポケットティッシュを入れたり、100円ショップでソールを買って入れたり、応急処置ができる。
かかとだけのインソールも100円ショップに売っている。身長も少し伸びるので一石二鳥かも(笑)
ただし、歩いているとズレやすいヒールインソールもあるので、サイズに余裕があるならこの靴擦れ症状もインソールごと交換 または 追加が理想。
ドクターマーチンのローファーはサイズが合わず、くるぶしが靴擦れして履けなかった。幸い、少し大きいサイズだったので踵だけのヒールソールと薄めの100円ショップのインソールを重ねて入れた。
踵の位置が上がって、くるぶしがドクターマーチンに当たらなくなり、靴擦れしなくなった。そしてインソールを追加したことでサイズが合って、履けるようになった!インソールの下にヒールソールを入れるとずれることがないので、大きなドクターマーチンの場合はこの順番がお勧め。
ふくらはぎやスネの痛み(サイドゴア、8ホールの縁があたって痛い)
3ホールでは起きない靴擦れ。というかもはや足首より上なので靴擦れと呼ぶのか?いや、靴で擦れて痛いし靴擦れか。足首より上のブーツの縁が足に当たって痛むパターン。
特にサイドゴアの前側が痛む人が多いのでは?
これは少し解決が難しい。まずはブーツよりも長い靴下を履くことは必須。ドクターマーチンの端が足に直接当たっていたら、どんなに馴染んでいるブーツでも絶対靴擦れする。よくロングワンピースにくるぶし丈の靴下でチェルシーブーツを履いている女性を見るが、痛くないのだろうか。いや、痛みを乗り越えて履けるようになっているのだろうか。
それでも痛い場合は、やはり風呂に入って縁の革を伸ばすか、当たって痛い箇所がわかるならワセリンを塗って対応するのが良い。当たって痛い+擦れて痛いの両方があるが、シュータンの縁にワセリンを塗るだけでもけっこう痛みがなくなるので、少しは改善策になるかと。
あとは10ホールだと、このブーツの口部分が革の切りっぱなしになっていて、足に擦れて痛い。8ホールなどでも現行のドクターマーチンは塩化ビニールで補強していてひび割れていると、足に擦れて痛い。この場合はライターで炙ったり、紙やすりで綺麗にならしたりすると少し靴擦れ対策になる。革の場合はトコナールなどで綺麗にする方法があるが、あまり効果がない。たしかに革の裏面(床面)は滑らかになるが、このパターンの靴擦れにはあまり意味がない。革の切りっぱなしの場合はライター炙りか靴下を履くのが一番良いかも。
履き慣らすことが一番効果があるが、時間がかかるのでそれまでは厚手のウール靴下や登山用・トレッキング用靴下などで靴擦れしないようにするのも効果がある。女性だとワンピースにチェルシーブーツとか、かっこいいからタイツと軽い靴下のみで履きたいのはわかるが、最初は仕方ない。