ビッグブルーダイビングライトを使ってみた!1年使用レビュー
アメリカに本社のある、ビッグブルーダイビングライト(BIGBLUE)。日本ではあまりシェアがないが、チュークにくる欧米のダイバーの多くが持っていて、特に沈船撮影(レックダイビング)の撮影に熱心な人や長時間潜るテクニカルダイバーはほぼビッグブルーの水中ライトを使っていた。約1年ほど、約300ダイブ使用してみたレビュー。
ビッグブルー ダイビングライトの特徴
- ルーメン数が高いライトを取り扱っていて、豊富なラインナップ
30000ルーメンなど、かなり明るいライトなどがあり、値段も少しだけ他メーカーより安い。ワイド、スポット、切り替え可能、バッテリー外付け(キャニスター)、スヌート、イエローフィルターなど、豊富な種類とオプションがある。 - フルアルミボディ、100M防水
耐久性がある、というのが売り(故障については後述)。防水は100Mまでなのでテクニカルダイビングでも使用している人が多い。 - ボタンは1つ、簡易操作
ボタンが1つなので、操作が簡単。言い換えればバッテリー表示を%で表示などはできない。ボタンが多いライトに比べると少ない方が壊れる箇所は少ないかもしれない。
ビッグブルー ダイビングライトの取り扱い、販売、購入方法
日本ではドライスーツで有名な株式会社ZEROが総代理店をしている。ゼロが取り扱っているライトの一覧は下記のカタログなどから確認できる。30000ルーメンのライトは水中でライトを置いて撮影したり、大容量のキャニスター付きライトはケーブダイビングなどのテクニカルダイビングに向いている。
http://zero-zero.co.jp/catalog/bigblue
ダイビング器材販売店のMIC21や
ダイビング ライト [ bigblue ] ビッグブルー VTL3800P ダイビング用水中LEDライト VTL-3800P(楽天市場MIC21)
Amazon、楽天市場でも販売している。
ビッグブルーVL8000を1年使用してみた
チュークの沈船ダイビングに没頭した約1年ほど、約300ダイブで使用。色々な写真を撮ってきた。使用したのは8000ルーメンのワイドのビデオライト、VL8000を2つ。2020年のカタログからはこのライトはなくなっていて、10000ルーメンのライトが後継種にあたる。
300ダイブほど使用してもいまのところ故障はない。
沈船内での撮影時にシルト(ゴミとか塵)に反射しないようにイエローフィルターを使っている。
ボタンはこの1つのみ。
カメラのアームにつけるマウントは複数あり、このネジ式アームにつけるYSマウントは別売りだった。
定番のボールマウントは付属品でついてくる。
腕につけるグローブも付属品。
マジックテープで手に固定する。レックダイビングでラインを貼る時や、カメラを持たないダイビングのときに使用していた。手が空くので使いやすい。
マウントを固定するネジは1つのみ付属。ネジ穴1つで固定しているので、ダイビングを繰り返していくと緩む。ある日、締めるのを忘れて突然取れて、ネジがなくなった。同じネジは大阪のナニワネジで見つけて購入した。
バッテリーは大きい。付属してくる。ダイビング中、ずっとつけっぱなしだと3ダイブもたないが、要所要所使う分にはフル充電で3ダイブ使える。
バッテリーをいれるところ
ゴムのOリングは2連。
ライト側にはOリングなし
自分は持ち運ぶ時、100円ショップの小物入れに入れている。バッテリーを抜いておかないと、万が一ライトがつくと小物入れが溶けて煙が出るので注意。地上で使うとけっこう危ないくらい明るいライトなので飛行機で運ぶ時など、気をつけよう。
ビッグブルーVL8000 セットアップ例
自分の使用していた水中カメラのセットアップ。カメラはLUMIXのLX100。
その上にホットシューで固定しているのがGoPro4。INONのワイドレンズを付けて、かなり広角にして沈船を撮影していた。
アームは一式、アメリカのAmazonで買った安物。全部込みで25000円くらいだった。
ボールマウントで2つ繋いでいて、けっこう長めのアーム。完全にワイド撮影仕様。
ビッグブルーダイビングライト純正のYSマウントとこのYSアームの互換性が悪く、普通にネジをしめてもスカスカで動いてしまうのでクリアファイルを切ったものを間にはさんで固定していた。
このセットを水中で持つとこんな感じ。
水中ライトの明るさ
VL8000は3段階にライトの明るさが調整できる。8000ルーメンの状態では十分な明るさだったが、最大出力にしていてもバッテリー残量でライトの明るさに差があった。
左がバッテリー残量半分くらい。右がフル充電の状態。右の方が白飛びしている範囲が大きいのがわかる。肉眼で見ると、はっきりと明るさが違うことがわかるのだ。
それぞれ反対方向に向けても、右のフル充電の方が白飛びしている。この経験から、バッテリー残量があっても、面倒でも毎日フル充電にしたバッテリーを使ってダイビングに行っていた。
ビッグブルーダイビングライトで撮影した写真
平安丸の機関室。撮影者のカメラには8000ルーメン2つ。奥には8000ルーメンを2つ、上下に向けて置いて撮影している。置くライトは下記のようなスマホアームクリップを加工して、ライトが傾いたり落ちないように固定している。
こちらもライトを置いて撮影。手元のライトが合計16000ルーメンあるだけでかなり明るい。
山鬼山丸の小瓶。小瓶の向こう側にライトを置いて、バックから照らして撮影。
平安丸にある、日本海軍の体温計。手元のカメラにライトが2つあると、左右からライトをあてることができるので小さい物も綺麗に撮影できる。
8000ルーメンの明るいライトだが、魚を撮るには向いていない。ストロボ、フラッシュよりも圧倒的に暗い。これもライトを当てているが、ほとんど色が出ていない、ライトがあたっていないのがわかる。
ハゼも同じ。もっと近寄ることができればライトも当たるが、実際あってもなくても変わらないレベル。こういう被写体の時はやはりストロボでないと色がでない。
ナイトダイビングであれば、周りが暗いので光も十分あたる。このカサゴはけっこう近寄れたので、ビデオライトでもはっきり色がでているのがわかる。
VL8000の1年使用レビュー
- 耐久性は良い、、、?
自分は2つのビッグブルーダイビングライトを1年、300ダイブ使用したが壊れることはなかった。今でも問題なく使えている。なので、耐久性は問題ないかと思う。一方で、チュークのダイビングガイドさんが使用していたビッグブルーはライトガラス部分の蓋から水没して、壊れてしまった。ただ、自分の何倍も潜って使用していたと思われるので、単純に自分とは比較にならないだろう。 - バッテリーは十分かと
毎回フル充電までしていたが、今でも1日3ダイブもつバッテリー容量なので、バッテリーの寿命の面でも問題ない。ただ、バッテリー交換時に毎回本体を開けるので、Oリングの劣化や毛などをはさむリスクに注意。 - ネジのゆるみに注意
前述したが、ネジ穴が1個でマウントに固定するのでゆるみに注意。できればダイビングに行く日は毎日確認したい。少しでも緩んでいるとけっこうポロっと取れる。もしも水中で取れたら、、と思うとこわい。自分は一度、ボート上でとれて、ガイドさんの足の上に落ちて怪我をさせてしまったことがある。。。 - 沈船ダイビング(レックダイビング)の撮影にはイエローフィルター
最初は使用していなかったイエローフィルター。VL8000には内蔵のイエローライトがあるが、4000ルーメンまでしか出せない。それだと少し明るさが足りないのだ。8000ルーメンでもイエローライトを使用したかったので後日、イエローフィルターを購入。かなり水がクリアに撮れるようになった。
総合すると、ビッグブルーダイビングライト良いライトだと思う。値段のわりに明るいものが多いし、色温度の調整とかバッテリー残量%画面とか不要なものがついていないのでシンプルなところも良い。ただ、自分はこれ以外のダイビングライトを使ったことがないので、比較はできない。それぞれのメーカーのライトに特徴があって、良し悪しがあると思うのであくまで個人の主観であることを留意して、参考にしてほしい。