Travel Kurarin

旅行ガイドブック出版社サラリーマンの旅のメモと青年海外協力隊(2018年1次隊、ミクロネシア連邦チューク州 観光)のメモ

氷川丸と平安丸【トラック、チューク、沈船、レックダイビング、歴史、日本郵船、沈船ダイビング】

横浜にある氷川丸とチュークに沈んでいる平安丸は姉妹船。同じ設計図から作られたこれらの船を見比べるのもディープなチュークの潜り方だ。

(※当記事には、氷川丸の非公開範囲の画像や平安丸の一般的なダイビングでは行けない場所、物の画像を掲載しています。)

氷川丸について

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日本郵船保有の貨客船。1930年就航。全長163.3m。主に日本とシアトルを結ぶ航路を運行。サービスが評判でチャールズ・チャップリンなどの著名人も乗船している。太平洋戦争中は病院船として徴用され、運用された。戦前より現存する唯一の日本の貨客船であり、2016年に国の重要文化財として指定された。今は博物館として運営されている。(Wikipediaより抜粋)

氷川丸 - Wikipedia

平安丸について

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日本郵船保有の貨客船。1930年就航。全長155.94m。氷川丸と同じく、主に日本とシアトルを結ぶ航路を運行。太平洋戦争中は特設潜水母艦(潜水艦の母艦)として徴用され、運用された。現在はチュークに沈んでおり、レックダイビングのポイントになっている。チュークに沈む船の中では一番大きい。左舷を下にして横たわって沈んでいる。(Wikipediaより抜粋)

平安丸 - Wikipedia

 

氷川丸、日枝丸、平安丸という3姉妹の彼女たちだが、現存しているのは氷川丸のみ。日枝丸は1943年にパプアニューギニアとチュークの間で沈没した。平安丸は1944年にチューク環礁内(当時トラック諸島)で沈没。 

氷川丸と平安丸の比較

氷川丸で公開されているのは主に左舷側、平安丸でよく潜るのは右舷側なので、残念ながら完全に同じ場所を見ることは難しいが、多くのところが共通している。しかし、実際に見比べてみると細かいところが違うことに気づく。比較して、新しいことに気づくのが面白い。

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氷川丸と平安丸のエンジンルーム比較。ほぼ同じ場所から撮っている。左右のエンジンスターターなどが同じなのがわかりやすい。

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エンジンルーム。平安丸には通路中央に柱があるが、氷川丸にはなかった。テレグラフの角度も違うように思える。ほとんど同じ角度で撮影しているが、こうやってみると水中だと狭く見える。

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同じ画像を回転させた。これが普通の正立の画像。横にして見ているより現実感がある。

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エンジンルーム。

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エンジンルームの左右にある通路。

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エンジンルーム中央にある計器板。平安丸には文字が読める計器があり、「BURME・・・」と書かれており、氷川丸と同じ計器が使われていることがわかる。

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ほぼ同じアングルで撮影しているが、階段の向きが違う。

f:id:kurakurakurarin1991:20190419110758j:plainエンジンルーム。少し撮影場所が異なるが、同じ空間を撮影している。やはり平安丸は氷川丸にはない、中央の柱が目立つ。

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機関室のエンジン操作器具周辺。奥に左右対象にある、円型のテレグラフの位置や手前のハンドルの位置が同じことがわかる。

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洗面台は同じ形をしていた。

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主機排気ガス温度計。エンジンルームのエンジンスターター近くにある機械。LONDONという文字が共通して見える。(平安丸の画像では上部、氷川丸の画像では下部にLONDONと書いてある)

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エンジンルーム奥にある電話ボックス。置いてある場所は共通しているが、比べてみるとけっこう違う。平安丸の電話ボックスは固まってしまっていて、中は見えない。上部のベルや扉の周りの枠など、見比べると違いがよくわかる。

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エンジンルーム最深部へ降りていく階段の位置や方向も違う気がする。

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デッキなどの比較画像。いつも潜っている右舷側も見たい!

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氷川丸と平安丸の右舷側デッキ比較画像。やはり天井部分に同じようなパイプが通っていた。平安丸の画像右側(実際は今の床)にあるパイプのようなものは潜水艦の潜望鏡の予備。特設潜水母艦(潜水艦の母艦)だった平安丸にはこのような潜水艦に使用される物が多く載っている。(※写真の氷川丸の右舷デッキは非公開エリア。特別に写真を提供していただいた)

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デッキの手すりの支え。平安丸のものはもっと丸みを帯びているような気がする。

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デッキと船内をつなぐ扉。平安丸ではこういった扉部分から船内に侵入する。

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エンジンルーム近くのスイッチボード。完全に一致しているかどうかわからないが、ほとんど同じに見える。

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真ん中が氷川丸のタイル。上下が平安丸で見たタイル。おそらく、船室の等級によって異なると思うが、平安丸と氷川丸ではタイルの模様も異なるようだ。これは氷川丸がホテルになるときに張り替えられたかもしれない、と聞いたことがある。

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デッキについている救命ボートの案内サイン。右舷側が奇数、左舷側が偶数になっていて、平安丸と氷川丸で全く同じサインを見ることはできない。氷川丸と平安丸ではフォントも文字組も全く違うことがわかる。(※写真のNo3,5のサインは氷川丸では非公開エリア。特別に写真を提供していただいた)

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f:id:kurakurakurarin1991:20191024115411j:plain潜望鏡が置かれている通路。氷川丸の画像は左舷側のため、完全に一致している場所ではないが、似ている。天井のパイプは氷川丸にはないみたい。

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通路周辺の写真。

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エンジンルーム内、電話ボックス周辺。平安丸の写真が悪くてわかりにくいが、中央ライトで照らされている丸いガラス窓が電話ボックス。その右側には氷川丸と同じような機械が並んでいる。

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船尾に書かれている、船名。平安丸では残念ながらほとんど読むことができないが、かろうじてTOKYOと読むことができる。氷川丸にはYOKOHAMAと書かれている。これは各船の登録地?かなにかの地名が記載されている。

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デッキで見ることができる、通気パイプ。

氷川丸の展示

hikawamaru.nyk.com

氷川丸の展示を紹介する。

 f:id:kurakurakurarin1991:20190419110745j:plainチュークでいつも平安丸を見ていると、その大きさに驚かされる。しかし、横浜で氷川丸を見るとまわりには高層ビルがあって、広い海に浮かんでいるので小さい印象を受けた。海の中だと透明度や比較物がないので、より大きく感じるのだろう。

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病院船として活躍した氷川丸

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船内地図は平安丸をダイビングするときにも参考になる。

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お手洗いの配管などがむき出しで、こういったスペースも平安丸で見てみたい。f:id:kurakurakurarin1991:20190419105714j:plain

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客室。当時は毛布をアーティスティックに置いておくのが洒落だったらしい。

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1等喫煙室。男性の憩いの場だったようだ。

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食堂

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f:id:kurakurakurarin1991:20190419105946j:plainデッキに出る。いつもダイビングで泳いでいるのはこういう通路のスペースだ。f:id:kurakurakurarin1991:20190419105724j:plain

眺めが気持ちいい。

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いつも泳いでいる角度にして撮ってみる。ウッドデッキと白い塗装だけで全然違うものに見える。

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1等客室。豪華だ。

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お風呂。

 

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船内のサインも当時のままなのだろう。フォントが古い。ビンテージ感があってかっこいい。f:id:kurakurakurarin1991:20190419105440j:plain

当時の物が展示されているスペース。

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バゲージタグはすごくかわいい!ステッカーにしてくれたら速攻買う。

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信号用のランプ。これはチュークの沈船やブルーラグーンリゾートの沈船博物館でも見れる。

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計測用の機械など。ひとつひとつ丁寧に解説がついている。

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当時のパンフレット。平安丸の文字も!3姉妹の名前が並んでいる。

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窓の鍵がねじ式になっていた。

 

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当時の船内図。細かい!

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3等客室。寝台列車みたいだ。ここは完全に一般人のお客さんばっかりで、最低限の生活でアメリカへ渡っていたようだ。

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f:id:kurakurakurarin1991:20190419110033j:plainスイッチボード。平安丸では暗くて奥まで見えないので氷川丸で見てみると意外と狭い。

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エンジンルーム最深部へ。平安丸のダイビングでもここが面白いので、じっくり見学。

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平安丸のテレグラフは残念ながら真っ黒になってしまっている(後述)f:id:kurakurakurarin1991:20190419105816j:plain

チュークにはこういった刻印が見れる沈船もあるので、平安丸でも探せばあるのだろうか。

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早速、平安丸と同じ方向にして、撮影。普段はこういう角度でダイビングしてるのか~。f:id:kurakurakurarin1991:20190419105825j:plain

平安丸にも同じものがある。

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f:id:kurakurakurarin1991:20190419105833j:plainウォーターラインという解説がある。海水面がここ、という赤線が引いてある。耳をすますと水のチャプチャプという音が聞こえる。水面より下にいるということはなるほど、寒いわけだ。

 

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氷川丸の航路。トラック(チューク)にも何度か来ていることがわかる、

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メッセージボードには平安丸と氷川丸、両方を見に来たというお客さんが!これは嬉しかった~!

平安丸で見れるもの

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チュークの沈船で一番大きな平安丸はドローンで撮影すると船体が映る。中央の白い船が8mくらい。左舷を下に横たわっているのがわかる。右側が船首。よく見ると、操舵室のある船橋部分も少し飛び出ていてわかりやすい。

www.youtube.com

ダイビング動画はこちらからどうぞ。

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船首には平安丸、という名前が読める。f:id:kurakurakurarin1991:20190419110256j:plain

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平安丸のダイビングでは主にデッキの通路を通る。上から差し込む光が綺麗な場所だ。右側においてある長い棒は潜水艦に積む潜望鏡のスペア。

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船倉に入ると、魚雷が積まれている。かなり大きな魚雷は太くて長い。迫力がある。f:id:kurakurakurarin1991:20190527104950j:plain

船内の通路。写真右側が天井で、左側が床。

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エンジンルーム内部。

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おそらく壁が落ちた部屋部分。

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棚がある。同じような棚を氷川丸で探したが見つからなかった。

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おそらく通路か部屋だったスペース。ベッドのフレームやクローゼットのようなものが見える。

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お風呂。左側のタイルが綺麗に残っている。

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欠けてしまっているが、N.Y.Kと書いてある。Nippon Yusen Kaishaのイニシャルだ。

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残されたお皿の裏には日本郵船のマークである、旗に二本線。このマークはいまでも使われている。

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同じく、日本郵便のマークが入ったお茶碗。これは統制陶器という、陶器を作るための石炭を日本政府が制限していた時期の物。製造元の窯を表す漢字と数字が入っている。

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陶器のシャワーヘッド

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電話

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コップかな?

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扇風機のカバー?

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この二本線も日本郵船のマーク

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沈没から75年経った船体は魚の住処になっている。

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耐火レンガ?YOKOHAMAと文字が入っている。

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注射器のようなものがある。中身が残っている?小瓶。医療器具セットかも?

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なにかのマークがはいった破片。日本軍のマークだと言われている。

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船内にお皿がたくさんある場所。二本線が多い。カツ丼とかの丼と蓋もある。これも統制陶器だ。

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お皿や瓶など。瓶にはキリンビールや大日本ブリュワリーなどの文字が読める。

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エンジンテレグラフ。真っ黒になってしまっている。

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エンジンルームに残された電球。マツダランプ、と文字を読むことができる。

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船内の奥に眠る、辞書。

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沈没した1944年のカレンダー。写真は12月。大正天皇祭と文字が書いてある。

企画展『グランブルーの静寂 〜もうひとつの氷川丸〜』

昨年、氷川丸と平安丸を比較する企画展示が行われた。企画立案は水中写真家の戸村さん。

news-worker.hatenablog.com

この企画展のパンフレットが すごく面白い。当時、日本郵船はチュークへの航路も持っていたようで、デビルマスクが書かれたパンフレットが載っている。当時は裏南洋と呼ばれていたようだ。他には古見さんや戸村さんの写真と氷川丸の比較などが載っている。

  

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